ひみつ再来

出社四日目が終わった。俺は今までなにをやっていたんだろう？エラ呼吸なのに、魚類なのに、なんで無理して地上を徘徊していたのだろう？？

上記の通りまさに水を得た魚の如く、職場で様々な知識を真綿のように吸収し、商材研究に余念が無い。それもそのはず、今まで趣味で研究、探求していたものがそのまま実益を兼ねているのだからこんなに素晴らしい仕事はない。とにかく毎日が充実している。毎日が楽しくて仕方がない。そんな状態だ。

今日は職場の歓迎会だった。下手な酔い方はすまいと思っていたがワインを飲みすぎてしまった。いつも親友と飲みに行く安居酒屋の向かいの(こんなとこおいそれと入れねえよなぁなんて笑いながら横目で見ていた)オシャンな肉バルで俺は、そこそこ高いワインを飲んでいる。嬉しいような、切ないような、なんかそんな気持ちだ。

酔った社長から、お前にはあるタレントを付けるから。親御さんが知ったらびっくりするようなタレントだぞ。専属だ、と告げられた。あのー...差し支えなければその方どなたか教えていただけますかぁと尋ねると、いや、まだひみつ。と言われた。

僕はバカじゃない(と信じたい)ので調子に乗りたくないし、期待もしたくない。想像はしちゃうけど。